生きる為に生きてきたか。死なない為に生きてきたか。
生きる事に全力を尽くして生きてきたか?と問われると答えは否だ。だが、死なない事には全力を尽くしてきたつもりだ。
なぜ死ななかったのか。答えは自分が人間だと思い込みたかったからだ。人間で居たかった。人間のガワを纏った別の生き物だと思いたくなかったし、
大人になれば普通の暮らしを送れるのだと信じて疑わなかった。だからこそ死ねなかった。死にたくなかった。死ぬ勇気もなかったのだろう。
死への嫌悪感
そんな思いが根底にあるので、死なない為の行動は沢山してきた。食料や飲料水の備蓄を頑張ったり、起きている為に睡眠が人より1.5倍位必要だったから一日10時間以上寝たり、死なない為に休息を多めに取ったりなどなど。
死なない為に頑張った人生。胸を張れる事ではないが、懸命だった。そんな私だが、数年前に副腎不全で死にかけた。
そしていくつかの病院を入退院を繰り返して、辿り着いた先の病院で告げられたのは下垂体性前葉機能低下症だった。やはり下垂体に問題が有ったのか、という気持ちと「嗚呼病名が判明してしまった」という言語化できない気持ちが入り混じった。
自分という人間のガワを纏った生物が人間のフリをして人間界で生活してきたのに、とうとうガワを剝がされてしまった。
治療の開始
そんな沈んだ気分でいたのだが、治療が始まった。コートリルという薬を処方された。ステロイドのホルモンを補充する補充療法だそうだ。また、併せてチラージンという薬も処方された。こちらも足りないホルモンを補充する為だそうだ。
この二つを飲み始めて2日後には私の身体の中が異世界転生していた。勿論比喩だ。だがそれほどまでに明確な違いを感じ始めていた。私という生物の活動量が体感で数倍になったのだ。
明確なこれまでとの違い
これは私が今まで生きてきたしんどくてどうしようもなかった自分の雑っ魚雑魚ボディ(脳かも)が異世界転生を果たし、身体の中だけが中世の頑丈な戦士にでもなったかのような思いだった。
仕事をして帰宅したら何もやれず起き上がれず寝てばかりだった私が、まるで人が変わったように、何かしないと勿体ないと感じ始めた。今まで仕事から帰宅したら泥のように眠っていたのに、薬を飲んでからは筋トレをするようになった
ルームランナーで20分も歩けた事がなかったのに、1時間以上歩き続けられるようになった。私の体感だけで言えば本当に体の中身だけが異世界転生を果たして現実世界へ戻ってきたのだ。


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